ホーム > 褒賞・外国人留学生奨学金 > 令和5年度 褒賞受賞者
この度は、令和5年度の安田・阪本記念賞という大変栄誉ある賞を頂くこととなり、大変光栄に存じております。この場をお借りして、選考委員の皆様、財団関係者の皆さまに厚く御礼申し上げます。この受賞は、私が行ってきた研究や皮膚科専門医制度の確立、学会活動などが評価されたものと理解しております。
私は皮膚の自然免疫における分子制御機構に関する研究を行ってまいりました。これまでの研究により、表皮角化細胞の免疫機構において重要な役割を果たす分子の特定や制御機構の解明につながりました。これらの研究成果に対して、 2002年度皆見省吾記念賞(日本皮膚科学会賞)、第9回日本研究皮膚科学会賞の受賞機会に恵まれることができました。
また、専門医制度に携わる機会も得ました。新専門医制度が始まるのを受けて、東邦大学の石河晃教授と制度設計を一から担当することになりました。とはいうものの、当時専門医機構は揺らいでおり、名称や設立母体を変えながらやっと2017年に現在の枠組みに落ち着いたわけで、新制度の設計もそれに合わせて調整していく必要がありました。その間には医師法が改正されるなど、最初の理念とはかけ離れたものになったように思います。当時の島田理事長、天谷理事長のご指導のもと制度設計にあたり、2018年4月の新制度開始時には大きなトラブルはなかったものと信じています。しかし、シーリング等の様々な問題が次世代に残ってしまったのは心残りな点です。
さらに、学会の方は、2018年 第33回日本乾癬学会、2020年 第72回日本皮膚科学会西部支部学術大会、2022年 第121回日本皮膚科学会総会を主催させて頂きました。乾癬学会は懇親会を含むコロナ禍以前の開催形式でしたが、西部支部大会はコロナ禍のため残念ながら完全WEB開催となりました。2020年は、コロナ禍のため日本皮膚科学会総会も含めて多くの学会が完全WEB開催となった年です。そして、2022年6月の第121回日本皮膚科学会総会ではハイブリッド形式での開催が可能となり、テーマをSDGs (Sustainable Dermatology Goals) -持続可能な皮膚科学の目標-として開催させて頂きました。図らずもコロナ禍は学会開催の意義を再考させる契機となり、学会のスタイルを一気に進化させたように思います。
最後に、この賞を受賞することができたのは、ご指導いただいた先生方、共に研究・学会活動を行った先生方、医局員全ての方々のおかげで心から感謝申し上げます。
1982年 | 愛媛大学医学部卒業 |
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1982年 | 愛媛大学医学部皮膚科入局 |
1983年 | 大阪大学微生物病研究所 |
1984年 | 愛媛大学医学部皮膚科 |
1986年 | カリフォルニア大学サンディエゴ校研究員 |
1989年 | 愛媛大学医学部皮膚科・助手 |
1994年 | 宇和島市立病院皮膚科・科長 |
1996年 | 愛媛大学医学部附属病院・講師 |
2002年 | 愛媛大学医学部皮膚科・助教授 |
2011年 | 愛媛大学医学部附属病院・病院教授 |
2011年 | 愛媛大学大学院医学系研究科皮膚科学・教授 |
2022年 | 愛媛大学・名誉教授/客員教授 河原医療大学校・学校長 |
2018年 | 第33回日本乾癬学会学術大会 |
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2020年 | 第72回日本皮膚科学会西部支部学術大会 |
2022年 | 第121回日本皮膚科学会総会 |
2002年 | 平成14年度皆見省吾記念賞 |
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2003年 | 第4回ガルデルマ賞受賞 |
2008年 | 第9回JSID Award |
皆様、お世話になっております。私、椛島健治は、このたび令和5年度の「小川秀興賞」を受賞し、大変光栄に感じております。この賞は、ケラチン・ケラチナイゼーション、皮膚バリア機構などの表皮生物学分野において既に国際レベルに達したリーダー的研究者が対象とされていると伺っております。私のアトピー性皮膚炎の病態解明に向けた業績と貢献が評価されたことは、一生の誇りです。
この受賞には、私一人の功績ではなく、周囲の多くの方々に支えられていることを深く感じております。特に、恩師である、宮地良樹京都大学医学部名誉教授、戸倉新樹浜松医科大学名誉教授、成宮周京都大学医学部名誉教授の知識と経験が私の成長に大きな影響を与えました。お三方の応援と励ましのおかげで、私は自身の可能性を追求し続けることができました。さらに、私を取り巻く仲間や同僚たちにも感謝を捧げたいです。彼らとの協力と共同作業により、私は新たな高みへと進むことができました。
また、小川秀興先生にはこれまで多くのお世話になりました。まず、スカイクラブのメンバーとして産業医大に赴任時に選出していただいたことは、大変大きな励みとなりました。また、タイのディプロマコースでもお世話になりました。いつも小川先生の強いリーダーシップに魅了されてきましたので、今回このような名誉ある賞を受賞できて心より御礼申し上げます。
最後に、「小川秀興賞」の選考委員会と主催者に深く感謝の意を表します。皆様の温かいご支援とご尊重に感謝の気持ちで一杯です。今後も一層の精進をし、さらなる成長を遂げるため努力してまいります。
心からの感謝を込めて、改めて深く御礼申し上げます。ありがとうございました。
1996年 | 京都大学医学部卒業 |
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1996年 | 横須賀米海軍病院 インターン |
1997年 | 京都大学医学部付属病院 皮膚科 研修医 |
1997年 | ワシントン大学医学部付属病院(レジデント、内科・皮膚科) |
1999年 | 京都大学大学院医学研究科(博士課程) |
2003年 | 京都大学医学部付属病院 皮膚科 助手 |
2003年 | カリフォルニア大学サンフランシスコ校 医学部 免疫学教室 |
2005年 | 産業医科大学 皮膚科 助教授 |
2008年 | 京都大学医学研究科 創薬医学融合拠点(皮膚科兼任)准教授 |
2010年 | 京都大学医学研究科 皮膚科 准教授 |
2013年 | さきがけ研究員(兼任) |
2015年 | 京都大学医学研究科 皮膚科 教授 |
2015年 | シンガポール A*Star SIgN/A*SRL Senior Principal Investigator (兼任) |
2016年 | National Skin Centre (Singapore) Lead Clinician Scientist (兼任) |
この度は「清寺 眞記念賞」の令和5年度の受賞者として選定していただき、大変光栄に、また私が今まで行ってきたメラニンと光老化関連の研究業績に対する多大な評価をしていただいたことに大変感謝したい気持ちでいっぱいです。
故清寺眞教授は色素細胞学会の前進であるメラニン研究会の頃から、私の恩師である神戸大学医学部皮膚科学教室の故三島教授と同研究生として研究活動を行っていた時代から良くお話を聞いたり、また日本研究皮膚科学会の前進である研究会でも接触も持った経験があり、かつハーバード大学皮膚科のFitpatrik教授のもとに留学され、メラノソーム理論の成果を上げ、東北大で活躍していた時代、また日本で初めて開催された国際色素細胞学会でも会頭を務められ、肝臓病を発症しながら講演を行っていたことをよく記憶しております。この学会のプレナリーにその後Cancer Res に掲載された私の医学博士の学位論文を発表したこともあり、印象深い国際学会であったことを記憶しております。
本記念賞を受賞して最も感慨深い点は、その歴史の深さと過去の受賞者の経歴のすごさであると思います。ほとんどの受賞者は様々な学会を通して交流があった人物ばかりであり、その研究業績の多さもよく理解しております。その意味で私の研究業績がこのレベルに達しているとの評価は大変うれしいものがあります。現在まだ宇都宮大学で特任教授として研究室を運営し、研究活動も精一杯おこなうことができていますので、この受賞を励みにして、現在行っている研究をより加速していきたいと思っております。
この度は大変権威のある「清寺 眞記念賞」の令和5年度の受賞者として選定していただき、誠にありがとうございました。謹んで御礼申し上げます。
1971年 | 花王株式会社研究所入所 |
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1976年 | 神戸大学医学部皮膚科研究生 |
1984年 | 神戸大学医学部皮膚科にて医学博士取得 |
1985年 | 山梨医科大学皮膚科 非常勤講師 |
1986年 | 帝京大学医学部皮膚科 非常勤講師 |
1989年 | 東京女子医科大学皮膚科 非常勤講師 |
1997年 | 山梨医科大学皮膚科 非常勤講師 |
1997年 | 三重大学医学部皮膚科 非常勤講師 |
1999年 | 宇都宮大学工学部客員教授 |
2002年 | 浜松医科大学皮膚科 非常勤講師 |
2003年 | 信州大学医学部皮膚科 委嘱講師 |
2004年 | 東京慈恵会医科大学皮膚科 非常勤講師 |
2005年 | 弘前大学医学部 学部長講師 |
2006年 | 花王株式会社退職、スキンサイエンスリサーチ研究所所長 |
2007年 | 東京工科大学応用生物学部教授 |
2010年 | 中部大学生物機能開発研究所客員教授 |
2012年 | 東京工科大学応用生物学部客員教授 |
2013年 | 韓国/明知大学客員教授 |
2016年 | 米国/Ohio University Eduson Biotechnology Institute客員教授 |
2016年 | 宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センター特任教授 |
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